第11章 11
翌日、幹部たちは死亡通知を届けるためにほぼ全員出払っていた
だが、エルヴィンかハンジかの気配りかノアは部屋にこもっていた
昨晩は眠れぬ夜を過ごした
窓の前に椅子を置き、ただただ外を眺める
昨夜はオレンジ色の光が差し込む
とても綺麗な満月だった
この日、優秀な兵士の命がひとつ、奪われた
……私のせいで
木に隠れる巨人に気づかず、作戦が成功したことに気が緩んだ
体が吹っ飛び、気づいた時には
リアムが上半身しかなかった
「…うそ、だろ」
血の気が引いた
また、だ
また私のせいで…
助けられなかった
「ノアさ…ん」
「っ、リアム、ごめんっ」
「…ノア…さんの、せい…じゃない、……っ」
ノアの方へ手を伸ばしたリアム
ノアはその手を握りしめる
焦点が合わないリアムの瞳はもう何も映していないのか
目が合わないままふわりと笑い
「…無事で、よか…た……」
握りしめた手がずるりと落ちると
リアムが目を覚ますことはなかった