第11章 11
一日で戻ってくる遠征
壁の中に入るときには外は暗くなり始めた
「また減ってるじゃねえかよ」
「調査兵ってのは何をしに壁の外にいってんだ」
「家畜に餌を与えているようだ」
「俺らの税金を無駄にするな!」
いつだって調査兵に対しての労いの言葉はかけられない
民衆の冷たい視線
だが、そんなことよりも今はノアさんのことが気になる
あのあとはハンジ分隊長に先に戻って指示を出せと言われ、巨大樹の森の入り口にいる兵士たちのもとへと戻った
馬を集め陣形に戻るころにノア分隊長は戻ってきた
「ありがとう」
馬を渡すとそう返ってきた返事
表情はいつもの通りだったが、目に覇気がなかったように思える
兵舎に戻るといつもの如く幹部の皆さんは忙しそうに動き回っていた
「ハンジ分隊長、ノア分隊長は…」
「部屋にいるよ、でも今はそっとしておいてくれ」
「……はい」
ハンジ分隊長もとても忙しそうだった
後から聞いた話だが捕獲に成功した巨人は壁の中に運ぶために台に乗せる際に刺さっていた杭のようなものが外れ抑え込むことができず、このままだと被害が出るため悔やまれるが殺してしまったらしい
久しぶりの巨人捕獲作戦は事実上失敗に終わった