第2章 2
「彼はブレードを逆手で持ち、ガスの噴出量は多いものの完璧な操作で空を舞うんだ、突然出てきた巨人の模型にも素早く反応し百発百中でうなじを削いだ、とハンジは言っていた」
「それで気になって来たって訳か、お前も暇だな」
「仕事の合間をぬってきたんだ、暇とは失礼だな」
「ははっ、そうかよ
エルヴィンの言っていたとおり戦力としては申し分ない」
視線の先には訓練のために植えられた木の間をすり抜けていく姿
巨人の模型が姿を表すとブレードを逆手に持ち、小さな体格からは似合わない力強い振りでうなじをそぎ落とす
完璧な身のこなしからは訓練をしてきたのかと思うほど、だが動き方は自己流で独学だということに納得する
「彼は、鳥のようだな」
「……は?」
「空を自由に舞う」
「………」
「自由の翼が、似合う」
「………このまま何もなければいいが」