第2章 疑惑
で
ソロソロと戸を開けて、脱衣所に置いてあったタオルを借りる。体を拭いてる最中、また、思考が止まる。
「…」
このタオル
…何か見たことある。今度は気のせいじゃない。これも、つい最近…?いや、だいぶ前…どっかで、同じ様に風呂借りて、その時…
「あっ!!」
思い出した。
…翔ちゃんちだ。去年くらいか、遊びに行って。酔って、俺そのまま寝ちゃって。朝シャワー浴びたとき貸してくれたタオルと同じ!や、絶対これだって、まったく同じ!色もデザインもブランドも一緒!
ついでに思い出した。さっきのマグ、あれもそん時翔ちゃんちで見たんだ。『グラス取ってきて~』って言われて開けた棚に、さっきのマグが入ってた。絶対同じやつ。
でも…
何で?
単に同じ趣味ってだけ?
「…」
そう、だよね。きっと。
うん、そうだよ。たまたま。うん。ほら、結構メジャーなヤツなのかもしれないし…。
「……」
偶然、だよね…?