第2章 疑惑
「ちゃっちゃと出なきゃっ!え~っと、次は~…っと」
独り言とか言ってないと何かダメだ。ボディーソープを手にとって泡立てて、そのまま塗りたくる。さすがに、彼女が普段使ってる猫スポンジを借りるのはマズイかなって。なんか…ちょっと変な気分になっちゃいそうだし。
シャンプーも、使ってみてちょっとドキドキしたもん。ものすごい、彼女の匂いがしたから。時々ふわっと香る、淡い柑橘系の匂い。これで俺も花ちゃんと同じ匂いかぁ~とか、どーでもいいことにやたらソワソワしちゃって。
「…ん?」
ああっ!髪の毛、別に洗う必要なかったんじゃ…。だってコーヒーそこまで飛んでねえし…。
「…うっわ。バカだ、俺…」
思わず自分で突っ込んだ。つい、いつものノリで頭からシャワー浴びちゃってたから、つい…。
自分のマヌケさにビックリしつつ、ボディソープでパンツもちゃちゃっと洗った。こぼしてすぐだし、たぶんキレイに落ちてるでしょ、たぶん。濃いめの色のだから、よくわかんないけど、たぶん!