第8章 幸せ一転
「俺のこと、好き…?」
「…うん…。ダイスキ…」
じゃ、確かめて、いい…?
これが
夢じゃないか…
「…花ちゃん。俺も――…」
「あ…」
花ちゃんが好き
好き、だったんだよ…?
言葉にならなくて
ただ、その肩を抱いて
ゆっくり、顔を寄せていく。
ああ…
この優しい香りに包まれて
二人はついに、初めての熱いキスを――…
二「――ってシナリオだったんでしょうなぁ」
相「ニノっ!」
…てゆーか。
オマエなに?そのカッコ。頭にタオル、腰に巻いてんのは…道具入れ?で、手に金槌って。大道具さんかよ!
松「いや、別にキスすんのは構わないんだけどさぁ。そういうのはせめて、よそでやってくれる?」
相「マツジュンッ!!」
って。おまえもなにノリノリでデカいサングラスしてんだよ!そのメガホンとか何っ?
櫻「いや、俺はやめようって言ったんだぜ?…一応」
相「翔ちゃん…」
て言いながら、何気にお忍びスタイルだよね?それは局違うからダメでしょ。しかも当たり前みたいに手に持ってるそれ…ハンディカメラじゃねーかッ!ちょっ…まさか、今の録ってた――!?
大「ね~。そろそろいい?俺の髪…」
相「…リーダー…」
もしかして、リーダーはマジに順番待ちしてただけ?…なんかカンペみたいなスケッチブック抱えてるけど。今日の衣装地味だから、フツーにADさんにしか見えない…。
大「俺の髪が、花を欲しがってるんだよ」
二「なんかやらしいな、その表現」
松「ねえ」
ホントだよ。しかもなにちゃっかり呼び捨てにしてんだよ。馴れ馴れしいな、俺の花ちゃんにっ。