第1章 ジョーダンに会いに
「あ、だ、だいじょーぶ、自分で拭くからっ」
そう?と心配げな彼女からおしぼりを受け取る。
だって。その…下の方、ズボンにもバッチリこぼしたコーヒーの染み、拭いてくれてたのはいいんだけど…。ほら。とんとんって、その。股間にだんだん近づいてきて…。さすがに、マズイっしょ!
「あ。ああ~…ヤバイかも…」
「え?」
「…」
「?」
「…パンツまでいっちゃった気がする」
「えっ」
「なんかナマあったかい…」
「ひゃあぁぁ~…」
最っ悪。チョー気持ち悪い。着替えなんてもちろん持ってきてないし、さすがにこのままってのは…キツイよね。
目当てのグッズは堪能させてもらったけど、せっかく来たんだし、どうせならもうちょっと二人でじっくりいろんな話したかったのに。こんな状態じゃ、さすがにもう居れない…。
「…」
「…」
「あ、シャワー!ね、シャワー使って下さい!その間に服も洗濯すれば、すぐ洗えば落ちると思うし!」
「え。で、でも…」
「大丈夫!乾燥機付きのい~ヤツなんで。すぐ乾きますよ♪」
リーダーがCMしてたやつなんですよーってちょっと得意気。
おぉ~い?
俺も洗濯機担当してたんだけど~…?