第2章 疑惑
「じゃあ、それ、お願いします…」
洗い場から顔をのぞかせる。脱衣所のかごに入れたジーンズとシャツを持って、彼女は俺を見た。
「あれ、パンツは?」
「そ、それはさすがに!自分で洗うからっ」
「…あっ、そ、そうですよねっ?」
急に赤くなる彼女が、なんだか可愛い。
「じゃあ、シャワー借りま~す…」
「はーい」
あー…
俺、相当恥ずかしいなぁ…。
スリガラスでハッキリは見えないけど、彼女がまだ脱衣所にいる間は、さすがにパンツははいてた。洗濯機、脱衣所にあるんだよね。
ふと、彼女の動きが止まり、こんこん、と戸を叩かれた。
「はいいっ?…な、なに?」
「今更だけど、これ、洗っていいジーンズですか?」
「…へ?」
ああ!
ふっと笑ってしまった。『ジーンズを洗うタイミングがわからない』―…そんな話、前にテレビでしたことあったっけね、俺。にしてもよく覚えてたなぁ。
「全然オッケー!今こそ洗うタイミングでしょ(笑)」
「ですよね(笑)」
「今でしょっ!!」
「フフ」
洗濯機が回りだした音がして、彼女が脱衣所を出て行って。ようやく俺は素っ裸になってシャワーを浴びた。