第4章 妄想と疑惑、再び
「まあ、そっか。短いか…」
「だい~ぶ?」
「じゃ、俺、超セクシーになっちゃうね。あ、相葉丈?って考えたらイケる?」
「んん~…ただのアブナイ人?(笑)」
「ヒャヒャヒャッ。確かに!」
見てみたいけど~、って、笑いながら、手際よく髪の毛乾かしてくれてる。
…いいな、やっぱ。好きだな。
花ちゃんて、カレシいるのかなぁ…
部屋にはそういう形跡は見当たらないけど…(歯ブラシ二つあるとか、写真飾ってあるとか)
フリーだったら、もし好きな人いないんなら、俺の彼女になってくんないかな…
あー…
やっぱ好きだ。なんか勢いで言っちゃいそう…。
「そうだ。こないだ面白いコトがあったんですよ!」
「なになに~?」
「翔くんなんだけど、収録の合間にー…」
「…」
また
翔ちゃん…
「っ!…な、なに?」
「あ。…えっと」
やば。無意識に彼女の手首、掴んじゃった。
「相葉くん…?」
「…」
でも
聞けねーって!
『翔ちゃんとどういう関係?もしかして何かあんの!?』
…なんて。
知り合いなのは知ってる。ていうか、嵐全員関わってるし。
だけど
おそろいマグって
おそろいタオルって!
ペアルックって!!
やっぱ…そういうこと?気付いたとたんに失恋パターン?
うおお~…っ、それはキッツイ。さすがに。切な過ぎるだろっ!
けど
やっぱ気になる…。
「どした、の…?」
「…」
「あ。やだ、もしかしてドライヤー熱かったっ?」
「…ううん。なんでもな~い。花ちゃん手首ほっそいねっ」
変な誤魔化し方。
…大丈夫かな。
俺、ちゃんと笑えてたかな…。