第14章 小さくなった魔王様
「おはようございます!」
「クリスちゃん!?」
「小春ちゃん~!会いたかった~!」
突然現れたのは聖クリスちゃん。
隼くんたちと同じ事務所のアイドルグループに所属し、活動していた。
「あ、魔王様…本当に小さくなってるよ」
「早くやっちゃってよ!祭莉ちゃん」
「任せて」
祭莉ちゃんと麗奈ちゃんがこそこそと何かやっていたけれど、私の位置からは分からなかった。
「始、この間の新曲とても良かったわ」
「ああ…ありがとう」
隼くんと同じく、始くんのファンである椿ちゃんは真っ先に始くんの前に。
「ふふっ…僕なんて歌詞も振りも覚えてしまったよ」
「流石ね…隼。これこそ始クラスタ…」
ソファーに立ち小さな身体で踊る隼くんに普通に接している椿ちゃん。
「今よ!」
麗奈ちゃんの声が聞こえた後、一瞬隼くんの後ろで何か光っていた…そんな気がした。
「さ、私たちこれから仕事もあるし、そろそろ行きましょう!」
「まだ、小春のお菓子食べてない~!」
「クリスちゃん、私たちそのために来た訳じゃ」
「お邪魔しました」
突然来たと思えば、直ぐに帰ってしまった彼女たち。
「一体何しに来たんだ?」
私たちの頭には?のマークだけが浮かんでいた。