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【ツキウタ。】魔王様と○○

第13章 魔王様と寂しさ


「はい、隼くん紅茶買ってきたよ」

「ありがとう。ああ…小春が居るのに淹れたてが飲めない…」

「仕事が終わったら淹れてあげますから…」

今日の仕事は歌番組の収録。

プロセラだけでなく、グラビも一緒。

月城さんがプロセラの分もマネージャー業をやってくれるため私は隼くんのお世話係。

黒月さんは他の用事で遅れるとの事なので私がプロセラのマネージャー代理をしていた。

とは言うもの初めて生で隼くんのアイドルを見た。

衣装を着ただけでガラリとアイドルに変わってしまう。

それは皆同じだった。

同じ場所、同じ屋根の下に住んでいるのに

住む世界が違うと思ってしまう。

ガタンと、急に現れた大きな壁。

大きくて、冷たくて、暗い壁。

「……小春さん?」

「あ、月城さん」

「黒月がもうすぐ着くそうですよ」

「そうですか…」

「大丈夫ですか?」

「……はい」

SixGravityさん、Procellarumさんお願いします!

スタッフさんの呼びかけにはい!と皆がスタジオに向かう。

「行ってらっしゃい」

月城さんの隣で私は皆に手を振った。

「行ってきます。小春」

「行ってらっしゃい。隼くん」

今回はグラビとプロセラのファンの方が観客席に居るため皆がスタジオに入るとキャーと、歓声が湧いた。

スタジオの隅から様子を見ると、見たことの無い皆の姿があった。

テレビで見るのとは全く違う。

アイドルなんだと言う現実が私の胸に突き刺さった。
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