第7章 ☆小さな魔王様の大冒険
「しゅんちゃん!!」
大きなベッドの上で眠る我が子を見た小春は力が抜け、ペタンと床に座り込んだ。
「ほらね」
隼の心当たりとはかつて自分が過ごした部屋。
「よく分かったな。隼」
「それは、産まれた時からしゅんにはこの部屋は魔界に通じてるって、教えてるからね」
「小春、一度隼と一緒に住むのは考え直した方が良い…」
「始~?何言ってるのかな…」
「あの…隼さん、ちょっと良いですか?」
「陽、どうしたのかな?」
「俺の部屋…荒らされてるんですけど」
「どうして僕に?」
「いや…だってこれ」
陽が隼の前に差し出したのは1つのおしゃぶりだった。
「これ、しゅんちゃんのっスよね?」
「あ、俺の所にはよだれかけ落ちてましたよ!」
郁も自分の部屋に落ちていたと、隼の前に出した。
「とんだ魔王様だ…」
ふふっ…と、笑みを浮かべながら隼は眠る小さな魔王様を見つめた。