第7章 ☆小さな魔王様の大冒険
朝になり目を開けるこの場所は大きなベッドの上。
霜月隼くんの部屋。
ここは私のお気に入り。
少し前までは隼くんと小春がいたけれど、今は隣に出来た大きなお家に住んでいる。
だけど私は寂しくないの。
だってここにはお友達がたくさんいるし、隼くんも毎日会いに来てくれる。
隼くんの部屋を出て向かうのは、共有ルームと呼ばれる所。
「おはよう、白田。はい、朝ご飯だよ」
ここに来れば、夜くんがいつもご飯をくれる。
そして隣には黒い大きな影。
『白田、おはよう!』
『おはよう、黒田』
私より大きな黒いうさぎの黒田。
私より大きな体はたくさんのご飯をあっという間に食べてしまう。
だからたまに怒られてるの。
「やあ、みんなおはよう…」
「隼(さん)!?」
朝早く現れたのは隼くん。
こんな時間に起きていることすら珍しいとみんなが言っていたのに。
「もう起きたのか」
「酷いな海は…最近の僕は早起きなんだよ。お陰様でね…」
「しゅんか…」
小春ちゃんに抱っこされている男の子は
霜月しゅん
隼くんそっくりなの。
「ほら、しゅんちゃん…黒田と白田だよ」
私たちの前にちょこんと、座ったしゅんくんはジッと私たちを見ていた。