第4章 魔王様とキス
【隼】
打ち合わせが始まると皆は仕事モード。
僕も…と一応大から貰った資料に目を通す。
数十分の打ち合わせが終わった。
「じゃあ、頼んだぞ」
と、大が居なくなると、皆は一斉に身体を伸ばしていた。
「ふぅ…終わったねぇ…」
今日は少し長い打ち合わせだったな。
僕は席を立ち、共有ルームを後にする。
部屋の方には小春の気配は無し。
「ん…下…かな?」
階段を降りると小春の姿を発見した。
どうやら玄関の掃除をしていたようだ。
「小春…こんな所にいた」
「隼くん」
そういえばさっき海が小春が怒ってるとか言ってたけど…
小春…怒ってないね。
海の気のせいだったのかな。
「玄関の掃除してなかったから…」
「そう、ありがとう。お姫様たちが喜んでるね」
「隼くん、お仕事?」
「そうなんだよね…僕はもうすぐ仕事へ行かないといけない。だけど今は小春と居たいかな…ってね」
すると、僕の足元に白い影。
「やあ、お姫様…ご機嫌いかが?」
足元にやってきた白田を抱き上げる。
「ん?小春、お姫様をお願い出来るかな?」
「うん」
小春に白田を預けると僕は白田の首に巻いてあるリボンを直した。
「うん。これで可愛いお姫様の完成だ」
ふと小春と目を合わすとすぐに反らされてしまった。
「あ、私洗濯物取り込まないと…」