第21章 魔王様とデート
「小春、デートに行こうか」
「えっ?」
朝、皆が朝食を食べていると休みにも関わらず早起きし、共有ルームに現れた隼くん。
何を言ったかと、思えば手を引かれ連れ出されてしまった。
「し、隼くん!?」
どこに?と、聞いても…いいから!いいから!と、返されてしまう。
寮の玄関を出ると、玄関前には白塗りの大きなリムジン。
運転手さんが扉を開けて待っていた。
「さあ、行こうか小春…」
私はただ口を開くしか無かった。
リムジンに乗り込み走ること数十分。
まず降りたのは洋服店。
「お願いします」
隼くんが店員さんに頼むと、かしこまりました…と、私は店員さんと店の奥へと連れて行かれる。
その際に後ろを振り向けば私に手を振る隼くんの姿があった。
あれよこれよと、色んな服を着せられれば隼くんの前に…それを何度も繰り返し
「うん。似合ってる」
隼くんが選んだワンピースはシンプルながらも上品なデザインだった。
「じゃあ、次行こうかな…」
そしていつの間にか隼くんも新しい服に着替えており、再びリムジンに乗り込んだ。
その次は美容室に行き、髪型やメイクをしてもらい着いた場所
そこは
「ここ……○○ランド…」
昨日、テレビで観た○○ランドだった。