第20章 魔王様とライブ
【隼】
本番前に社長が僕に告げた。
この会場のどこかに小春が居る……と。
いざ、ステージに立つとサイリウムで輝き、人が沢山居る中小春を見つけるのは難しい。
でも、どこかで小春が見ている。
それは間違い無かった。
僕のソロ曲が始まった時、小春の気配を感じた。
この近くに居る。
ファンの子たちに手を振りながら歌っていると…
見つけた。
僕に控えめに手を振る女の子。
……小春。
見ていて、小春。
キミの為に、皆の為に歌うから…
一緒に叶えてくれた夢を
これからも叶えていく夢を