第19章 魔王様とリーダー
『小春、出掛けるよ』
遅くに起きてきた隼くんに言われ付いて来た場所はテレビ局。
「誰か待ってるの?」
「うん…始をね」
しばらく待っていると、近づいてくる足音。
遂に出待ちまで始めたのか?
始くんに言われながらも隼くんは始くんをデートに誘った。
「隼、小春とはデートじゃないのか?」
「デートだよ…もちろん。小春とはどこに居たってデートだからね。でも今日は始ともデートだよ」
「気にしないで、始くん…私の事は」
タクシーに乗り、やってきたのは遊園地だった。
子供連れの家族からカップルまで様々な年齢層で賑わっていた。
変装道具は持ってきていないと言う始くんに隼くん周りを見てみなよと…
そこには遊園地を楽しんでいる人ばかり。
アイドルの2人を見る人など居なかった。
「何かしたのか?」
「ちょっとね…」
実際には隼くんは何もしていないと私は思う。
これは隼くんでもない遊園地と言う夢の国とお客さん自身が作っている魔法。
何て思う私も少しだけ楽しんでいた。
夜は遊園地のアトラクションやお店など、全体的に様々な色にイルミネーションされていて綺麗だった。
甘いものを食べた後、観覧車に見えるベンチに座る隼くんと始くん。
「私、飲み物買ってくるね」
私は2人から離れる。
リーダー同士、静かな場所で話せるように…
「始くんの悩み…解決するといいな」
きっと隼くんにしか出来ないこと…
私はそう願った。