第18章 魔王様と看病
「ゴホッ…ゴホッ…」
「大丈夫?隼くん……」
翌日、小春の風邪は僕に移った。
心配そうに僕を見つめる小春は…可愛い。
「なんで隼が風邪ひいてんだ?」
海が濡れたタオルを用意し、小春に渡す。
「少し?冷たいよ…」
額に乗せられたタオルは気持ちが良かった。
「今、お粥作ってきますから…海さん、隼くんお願いします」
「おう!」
小春がキッチンに向かうと海と二人きり。
「暇だな…」
「寝てろ…隼」
「小春まだかな…」
「今行った分だろ?それより、何でお前まで風邪ひいたんだ?」
「そりゃ…僕が移していいよって、キスしたからさ…それも何度ね」
「はいはい……なるほどな」
「小春の分まで病魔と戦うのさ」
「仕事に支障が出ない程度で戦ってくれ…」
「はーい…」
その日から僕は風邪で3日寝込んだ。
でもその3日、小春が付きっきりで看病してくれて僕は幸せだった。