• テキストサイズ

PSYCHO-PASS ー真っ直ぐな瞳ー

第8章 免罪体質




俺は立ち上がりトレーニングルームへ向かう。
その後をちょこちょこと如月監視官がついてきていた。


「監視官。」  『狡噛さん…。』


俺と監視官の声が綺麗に重なり、俺は歩を止める。


「なんだ?」   『何ですか?』

「…。」

『……。』


再び声が重なり、2人で黙ったまま見つめ合う…。
まるで、時が止まったような感覚に陥ったが、俺は頭を軽く振ってから言う。


「監視官、先に言え。」


言うと、監視官はおずおずと言葉を紡ぐ。


『…で、では、お言葉に甘えて……。
 狡噛さんは"槙島聖護"という男を…どう見ますか?』


訊ねられてから俺は驚いて目を見開く。


「…奇遇だな。俺も同じ質問をしようとしていた。
 ……監視官は、どうなんだ?」

『し、質問で返しますか……。』


ううむ。と困ったように唸ってから、言葉を探るように考え込んでいる。
それから、そっと自らの言葉を紡ぐ監視官。

……彼女の存在は俺を大きく変えた、と今更ながら思う。
…思えば、彼女が1係に来てから1年という年月が過ぎていた。


『……狡噛さん?聞いてます…?』


そんな事を考えていた所為で、話を全く聞いてなかった。


「……すまない。聞いてなかった……。」


正直に白状すると、監視官はまるで拗ねた子供のように頬を膨らませる。
…可愛いと感じ、少し低い位置にある彼女の頭を撫でる。


/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp