第8章 免罪体質
試しに
親が買ってくれた文鳥…
それは、餌に毒を入れて殺してみた。
……色相は"PIGEON BLOOD(ピジョンブラッド)"……案外クリアだ。
次に、
友人の家にいたうさぎ…
これも、餌に毒を混ぜて殺した。
……色相は"LIGHT PINK(ライトピンク)"……前よりもクリアだった。
次に、
近所にいた野良犬や野良猫を殺してみた。
…色相は…"POWDER BLUE(パウダーブルー)"…悪化はしたが、まだまだクリアだ。
次々と対象は巨大化していき、
最終的には…同じ歳の…"友人"だった人を殺した……。
それでも色相は綺麗なもので、
僕はその時初めて、自分が"そのような体質"なのだと悟った。
まだ、10歳の時だった……。
……こういうとき、自分は他人とは違うという優越感に浸る輩もいるのだろうが…僕は違った……。
始めに、自分は他人とは違うという孤独感…孤立感……。
次に、出来損ないのシビュラシステムへの怒りや憎しみ…。
…皮肉なことに、そんな事を思っても、色相は綺麗なものだった……。
……シビュラシステムは僕を裁けない。
…だったら、僕がシビュラシステムを裁こう。
正体を、暴いてやろう……。白日の元に晒してやろう……。