第8章 免罪体質
「……はーい。次の料理出来ました〜。」
「お。早いな。お疲れさん。」
「…次はなんだ…?」
……次の料理を運ぶと、早速とっつぁんとコウちゃんが食いついた。
「……次はね〜。"回鍋肉"って言う、炒め物の料理。」
自慢げに言うも、聞いているわけもなく……
「……どれどれ。お、美味いじゃないか。」
「ちょ、とっつぁ〜ん…。つまみ食いはやめてよ〜っ!!」
ひょいっと箸でつまみ食いをするとっつぁんに言うと、今度は反対側からコウちゃんが箸をのばす。
「とっつぁん、皆の分もあるんだぜ?……確かにこいつは美味いな……。」
「こーら。コウちゃんまでつまみ食いやーめーろーっ!!」
叱る俺を見ても、2人はしれっと交互につまむ。
「無くなっちゃうだろ〜っ!!」
『ふふ。楽しそうですね。……何か手伝おうか?縢くん。』
「あ、悠ちゃん…。助けて、全部食われちゃいそ〜。」
『それは大変だ。』
ふざけたように言うと、悠ちゃんも困ったように肩を竦めてから楽しそうに微笑んだ。
……可愛いなぁ。
…その笑顔は、とても優しげで…天使なんじゃないかって思った…。
それか、本当に天使が舞い降りて来たんだって。
……この頃、俺はちょっぴり……いや、すごく変だ。
と、いうのも…悠ちゃんへの恋心に気づいてしまった時からだと思う……。
その時の俺は……シビュラは…残酷だな…と、ふと思っていた……。