第8章 免罪体質
局長室を後にし、2人で歩いていると……
「…あっれ〜?。ギノさん、悠ちゃんとデートなう、ですか〜?」
と、からかうような、楽しんでいるような…聞き覚えのある声が耳に届く…。
「なっ!?か、縢っ!!勤務中だぞ!!」
少し頬を赤く染めた宜野座さんが焦ったように声を荒らげる。
『そ、そうだよ縢くんっ!!宜野座さんに失礼だよ…。』
意識してしまい、私の頬も火照り…熱を持つ……。
「ははっ。そーなんすね。
んじゃ、悠ちゃん。今夜俺の部屋でディナーでもどう?……俺の料理、美味しかったでしょ?」
少し笑ってから自慢げに、そして楽しそうに縢くんが言う。
そんな彼は、とても機嫌が良さそうだ。
それを聞いていた宜野座さんが更に声を荒らげる。
「貴様!如月監視官と何を……!!」
……宜野座さんは、執行官が監視官と関わることをあまりよく思っていない。
初めてあった時、監視官と執行官は主人と犬の関係だ。と言われた。
……私はどうしてもそう思いたくない。
良好な関係は築けると思った……。
だからかも知れない。
こんな事を口走った……。
『そうだ!!
宜野座さんも食べてみたらどうですか?…縢くんの料理、とっても美味しいんですよっ!!』
最後ににっこりと私っぽくない、女の子らしい(と、私が思っている)笑顔を添えてみる。
「「…………え?」」
2人の困惑したような声が綺麗に重なった……。