第2章 パラライザー
「あ、コウちゃん、悠ちゃん。こっちこっち。」
数十分後……縢君と合流した。
縢君が小さな声で手招きする。
「縢、動きはあったか?」
「いんや。まだ何も……。さっきからあの部屋に篭ったまんま。」
縢君がビル5階のとある部屋を指差す。
『何してるんだろう……。』
「コウちゃん……やっちゃう?」
「…監視官、強行突破する。許可をくれ。」
『……。』
「……悠ちゃん?」
私は一人、思考の世界へ入り込む……。
『強行突破した場合……。被害者の生存率…。80%…。許可します。被害者の安全を優先してください…。』
「了~解」 「了解。」
突入許可を出してから、二人は見事な連携プレーで犯人を追いつめていく…。
「う、うるせぇっ!!この女がどうなっても良いのか!?近寄るなっ!!」
狡噛さんと私にそう叫ぶ男性。
女性を盾にして、男性は女性にナイフを突きつける。
「い…や…。助け……。」
女性のか細い声が聞こえた…。
女性は今にも壊れてしまいそうだ……。
『お願いします。女性を解放してください…。』
「近づくなって言ってるだろうがっ!!」
男性の背後には……縢君が居た……。
ドミネーターを構える縢君。
「ったく…。どんなことしたらそんなに色相濁んだよ…。」
ドミネーターが変形する…
あれは…エリミネーター!?
「悪い子には…お仕置きだ……」
縢君がエリミネーターで男性を撃つ。
彼は破裂し、女性がその返り血を浴びてしまった…。