第8章 免罪体質
後日……
私と宜野座監視官は局長に呼び出され、局長室へ向かっていた……。
『…話って何でしょうか……。私、また何かやらかしましたかね…。』
不安になってそう言うと宜野座さんが淡々とした口調で答える。
「それはないだろう。……狡噛の事で以外、始末書を書いた覚えはない。」
『……でも、それは怒られちゃいますよね……。』
真面目な顔をしてはっきり言う宜野座さんに、私は苦笑して言った。
しばらくして、局長室についた。
……だが、その呼び出しは2人で話した内容とは全く無関係だった……。
「……今回の事件の犯人。……槙島、と言ったか。
彼はドミネーターで打つことが出来なかった……。そうなんだね?如月監視官。」
局長に問われ、私は緊張しつつ答える。
『は、はい。彼は人を殺そうとしていました。……それなのに、ドミネーターで犯罪係数を計測しても、犯罪係数が上がるどころか…下がっていきました……。
その後、ドミネーターを管財課に修理をお願いしましたが、何処も……壊れてはいなかったらしいです……。』
「……ほう。
以上の報告からして、おそらく彼は"免罪体質"という体質だ。」
「……すみません。"免罪体質"とは一体何ですか?」
私の疑問を代弁するようにそっくりそのまま宜野座さんが局長に訊ねた。