第8章 免罪体質
「紙の本は読む為にページをめくる。…僕はね。紙のその感触も、匂いも…読書を楽しむ為にあるような気がしてならないんだ……。…だから、紙の本。電子書籍なんて、読まない方が良い。面白くもなんともないよ。」
…と、言っていました。紙の本である事は彼なりのポリシーというか……条件なんだと思います……。』
記憶を遡り、思い出しつつ言葉を紡ぐ……。
それを黙って聞いていた狡噛さんは、重々しく口を開いた。
「…変わった奴だな。」
それを聞いた私はおかしくて小さく笑ってしまう。
『狡噛さんも、人の事言えませんよね?』
ぼそりと呟いた狡噛さんにクスリと笑いを残してからかうように言うと……
「……それはあんたもだ。」
と、少し意地悪そうな笑みを浮かべて言われてしまった。
……それだけで、少し心が穏やかになった気がした…。