第7章 過去
そう言われてモニター見る。
『ゔ……。』
とても見ていられるものではない。
……酷い有り様だ。…なんというか……言い表せない惨さがそこには映されていた。
胃の中のものがせり上がってきそうなのをかろうじて堪えながら、モニターから少しの間目線を外した。
と、その時、誰かが中へ入って来たようで扉が開いた。
『…あ。』
「……どうも。」
六合塚さんだった……。
彼女は私に軽く会釈をしてからカップラーメンを置いている机の近くのソファーに腰を下ろし、ラーメンをすすり始めた……。
唐之杜さんが更に続ける。
「なかなかの有り様よね……。彼、生きたまま"解体"されたらしいのよ……。」
……解体…?
……生きたまま、バラバラに…?
彼のその死体の様子から、私は恐怖さえ感じた……。
彼はきっと、最後まで苦しんだのだろう……。そう思っていた。
そして、ふと六合塚さんの視線がモニターに釘付けになっているのに気がついた……。
『…お食事中に…すみません……。』
申し訳なさから彼女にそう謝罪すると、六合塚さんは私の方に視線を寄越す。
私達は目が合った。
そして、六合塚さんから一言……。
「……何が?」
『え……。』
私は絶句した。
更に、唐之杜さんからも一言。
「弥生は、こんなのじゃ燃えないわ。……もっと、激しいやつじゃないと……。」
『は、はぁ……。』
妖艶に微笑む唐之杜さんに曖昧に答えてからふと思った……。
2人は…一体どういう関係なのだろう……。
……たぶん、聞かない方が良いのだろうけど、とても気になる。
一応、聞くのはやめておいた。
聞いてはいけない。
そんな気がしたからだ。
……そんな事を考えつつ、私は唐之杜さんお礼を告げ、その場を後にした……。