第7章 過去
私は真っ赤になった彼の顔を見つめる……。
『……ふふっ……。』
私は思わず笑ってしまった。
「なんで笑うんだよぉ〜!!」
『だって……。縢くん、絶対酔ってる。』
「……否定はしない。」
観念する縢くん。
『ふふっ…でしょ?』
「否定出来ないなぁ……。」
私達は顔を見合わせて笑った……。
いつまでも、この和やかで楽しい時間が続けば良いのに……。
Side of 狡噛
悪夢に魘された俺は目を覚ましベッドから飛び起きた。
…また、あの日の夢を見た。
額から汗が伝う……。
「……くそっ!!」
自らの怒りの矛先を何処へやっていいものか悩み、サンドバックを殴った……。
痺れるような、じりじりした拳の痛み。
「……佐々山……。」
俺はかつて俺の部下だった男の名を呟いた……。
…どうやら、如月監視官がその件について調べているようだ。
何か、気になる事でもあるのだろうか……。
別にそんな事気にはしないが、監視官が調べていることを知られたくないのならば、知らないふりでもしておいた方が吉だろう。
……そんな事を考えつつ、俺はトレーニングルームへと向かった……。