第7章 過去
Side of 如月
例の事件から、狡噛さんと宜野座さんは少しギクシャクしていた。
そう…。"槙島聖護"という単語を聞いた辺りからだ……。
狡噛さんはさして気にしていない風だったが、
宜野座さんが酷く……何というか…。
困惑している、といった風だ……。
何かあったのか…。
何があったのか訊いてみたくもあるが、何しろ訊きづらい…。
訊けるわけがなかった……。
そんな事を考えていると、狡噛さんが話しかけてくれた。
「…どうした、監視官。"困ってる"って顔だな。」
『あ、狡噛さん……。…わかっちゃいます?』
苦笑して言うと狡噛さんは少し方を竦めてから続けた。
「やれやれ、俺に話してみるか?…相談くらいなら俺で力になれるかわからないが、話くらいは聞けるぞ?」
『い、いえ。結構です……!!』
流石にここでは訊きにくいので、遠慮した……。
いつか、聞ける時が……
いや、狡噛さんから話してもいいと思える。
そんな時がくる事を私は願った……。