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PSYCHO-PASS ー真っ直ぐな瞳ー

第6章 白い人




「危ない…!!」


低めのよく通る声が聞こえ、それから誰かに抱きとめられるような気配があった。


「……大丈夫か?」


その声に、そっと瞼を押し上げるとそこには……
髪も、肌も…透き通るような白……。

真っ白な人が居た。
その人は…


『ま、槙島先生っ!?』


大学からの教育自習生で、私が通っている中学校に教育自習に来ていた槙島先生だった。
先生はこの中学校の卒業生で、生徒からも親しみを込めて"槙島先輩"とも呼ばれているらしい。


「……怪我、してない?」

『は、はい。大丈夫です…。』


台から落ちた…。
それが恥ずかしくて、俯いていると…
先生はそんな事などは全く気にしていないように私に訊ねる。


「……ここには、よく来るの?」

『たまに……です。ここには、たくさんの本があるので……。』

「……そう。」

『は、はい…。』


言ってから、先生はおもむろに台に乗って本を手に取る。


「…この本、かな?」

『……!は、はい!!ありがとうございますっ!!』


私が本を受け取ると槙島先生は困ったように微笑う。


「危うく、スカートの中が見えてしまう所だったよ。…怪我もするとこだったしね……。」

『っ!?せ、先生!?』


恥ずかしさがぶり返し、頬に熱が集まるのを感じる…。


「大丈夫。見てないから。」

『せ、先生〜……。』


にっこりと微笑みながら言う先生に、私は火照った頬に手を当て抗議の視線を送る。

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