第4章 裁けぬ人
Side of 縢
「どうした?縢。……コウ!?」
すると驚いたような、とっつぁんの声も聞こえた。
振り返ると、とっつぁんがこちらへ歩み寄って来る所だった。
「あ、征陸のとっつぁん。コウちゃんが…!!」
「こりゃひでぇ…。
今、応急処置してやる。ちっとばかし、じっとしてろよ?」
とっつぁんが素早く処置を施す。
「とりあえずは、これで良いか…。
だが、後でちゃんとした治療を受けるんだぞ。コウ。」
とっつぁんの質問には答えず、一呼吸おいてコウちゃんは尚も起き上がろうとする。
「コウちゃん、ダメだって💦」
「はぁ…仕方ねぇな……。」
とっつぁんはコウちゃんに頭突きをくらわせた。
「ぐぁ……っ!?」
「ちっとばかし、じっとしててくれや。コウ。」
「お、俺……、悠ちゃんを追いかける。
後は頼んだぜ、とっつぁん!!」
俺は、痛みに悶えるコウちゃんを一瞬だけ見て
後はとっつぁんに任せて悠ちゃんとコウちゃんの言う例の男を追うことにした。