第4章 裁けぬ人
「ふっ……。終わったな…。後は女だけか。」
男は銃を下ろし、執行官へと歩み寄る…。
すると……。
「ああ。お前がなっ!!」
「な、何!?」
男の背後から飛び出した俺はすぐさま男にドミネーターを向ける…。
= 犯罪係数 オーバー360 執行対象です。 セイフティを解除します。
執行モード リーサル・エリミネーター 慎重に照準を定め対象を速やかに排除してください。 =
ドウッ!!
男は一瞬で肉片と化した……。
「…大丈夫っ!?……これで、助かったんだよ…ね?」
近くで見ていたらしき女が涙目になりながらも俺を支えた。
「恰好良かったよ……。執行官さん…。」
今にも泣き崩れてしまいそうな女はそう続けた…。
俺は安堵と疲れで倒れ込んでしまった。
女は俺を支える事が困難になったのか、俺を地面に寝かせた…。
視界が霞み、歪み……上手く物を見る事が出来ない。
俺はそっと目を閉じた……。