第4章 裁けぬ人
銃は2発毎に間隔が空く。
と、言うことは、2段式の猟銃か何かだろう。
そして、犬は2匹居る。
箱を背に持っているのは、2匹の内のどちらか1匹だけだ。
グルルルルルル……。
低い唸り声……。
「来たな…!!」
背後に気配を感じ、振り返ると…今にも飛び掛かって来そうにして、姿勢を低くし唸る犬……。
その背に……。
「あった……。」
俺は走った。犬が追いかける。
確か…ここら辺に……。 あった…!!
先ほど見つけた罠だ。
どうやら、そこの地面を踏むと上から罠が落ちて来る仕組みのようだ。
上から降って来るのは鋭く、鈍く光る幾つかの針のようなもので、
それが人間の上に乗っかった時、処置が少しでも遅れれば死んでしまうだろう。
俺は罠を飛び越えた。
犬がその罠を踏んだ。
上から罠が降ってきて犬を仕留めた。
犬はしばらくの間もがいていたが、やがて動かなくなった…。