第4章 裁けぬ人
Side of 狡噛
「っ……。くそっ…。」
奴らに気付かれたのか、外部との連絡が取れなくなってしまった。
たぶん、妨害電波のような物で邪魔されているのだろう。
この中で、容疑者だった男が死体と化していた。
人質の女の方は無事だった。
「おい、あんた。」
「ひぃ…!!もうやめて…!!」
「公安局だ。もう大丈夫だから、落ち着くんだ。」
「こ…公安、局…?」
「そうだ。新嶋 輝、だな?」
「え、ええ。…そうよ…。」
女はだいぶ落ち着いた様子だが、まだ震えていた。
「しかし、何なんだ…ここは。」
「…"狩り"の場所……。あいつはそう言ったの……。私達を…狩るんだって…。」
怯えた声で女はそう言った。
「……狩り…。」
そう呟いたその時、
グルルル……。
低い…。まるで肉食獣の様なうなり声が聞こえた……。