第2章 パラライザー
Side of 如月
既に日も暮れた…雨の降る…肌寒い日の事だった……。
街頭スキャナーに検知された男性が女性2名を人質に取り、寂れた地下街に逃げ込んだのだという……。
私は縢君、狡噛さんと共に現場へ向かった…。
『えっと…縢君、狡噛さんの地下街内での単独行動を許可します。……気をつけて…。』
「さっすが、如月監視官!!わかってる~♪」
「落ち着け、縢。……監視官も、気をつけてくれ。」
『はい。了解です。』
2人と別れたあと、暗い廃墟の長い長い廊下を進む……
『うっわ……。暗い…。』
予想以上の暗さに足がすくむ…。
それでも勇気を振り絞って中を探索しながら進む…
しばらく進んだところで、無線が入った…
《こちらハウンド4》
縢君だ。
《男女、1名ずつ確認したぜ~》
『…男女1名ずつ…?人質は女性2名のはずじゃ…?』
《何処かに置いてきたのかも知れないな。
2人も人質が居たら、邪魔だろうからな…。》
《んで、どうする?悠ちゃん》
……選択を迫られる…。
自分の選択の所為でもしかしたら人が死ぬかも知れない…。
どくんどくんと心臓が激しく脈打った……。
《監視官、そう考え込むな。
……呑まれるぞ…。》
『っ!?…すみません。……縢君、犯人の尾行をお願い。狡噛さんも縢君と合流して犯人の尾行をお願いします。……もしかしたら、別の場所に女性を監禁しているかも知れないので……。』
《了解!!》
《了解…》
2人の声が重なり、それを最後にブツッと音を立てて無線が切れた…。
私は…このまま単独行動をする事を決めた。