第3章 監視官の重み…
「俺の"普通"とお前の"普通"。そして如月監視官の"普通"は異なる。それを比較する手段はない。…よって、その使い方は間違っているぞ。狡噛。」
「…お前。変な所で細かいな……💧そんな事、どうでも良いだろ。」
「いや、大事なことだぞ。」
「…そういうところ、変わらないな。ギノ。」
「変わってたまるか。」
『ふふっ……。』
俺と狡噛とのやり取りを見ていた如月監視官に笑われてしまった。
狡噛とほぼ同時に彼女を見つめる。
すると、彼女はきまりが悪そうに…
『…申し訳ありません💧』
と、謝罪した。
「いや、別に謝る必要はないのだが……。」
「俺も気にしていないし、ギノもそう言ってる。気にしたら負けだぞ。如月監視官。」
狡噛も笑いながら続けたので、如月監視官はほっとしたように肩の力を抜いた。
…すると、そこへ聞き覚えのある声がした。
「おーい。コウ。そんな所に居たのか。」
よりによって、征陸執行官だ。
「とっつぁん。何か用か?」
「"何か用か?"じゃねぇよ。コウ。お前またトレーニング用のロボットでも破壊したんだろ。管財課が怒ってたぞ。」
「何!?」
俺はその言葉に驚いた。
トレーニング用のロボットは、この間狡噛が破壊し買い替えたばかりだ。