第3章 監視官の重み…
『……何だか、変な事件でしたね…。』
「……そうだな。」
内容は"男が急に暴れだしたから取り押さえてほしい。"というものだったのだが、男が暴れている…のではなく、正確には、男性のホロを纏った子供が人々に遊んでもらおうと駄々をこねていたのだ。
『何故、少年はホロを……。』
「全く。そのようなくだらない事でいちいち呼び出されてはかなわん。」
イラつく俺に対し、
『でも、まぁ…"くだらない事"で呼び出されるのって、平和って事なんじゃないですかね……。』
そう言って苦笑する如月監視官。
つられて俺も笑ってしまった。
「よう。仲良さそうだな。」
ふと、そこへ聞き覚えのある声が聞こえてきた。
声の主が居るであろう方向へ振り向くと、そこには狡噛がいた。
背後から歩いてきた狡噛は俺の背を軽く叩く。
「別に…仲が良いわけでは……。」
『そうですよ。私なんかが仲良く出来る方じゃないですよ。宜野座さんは。』
如月監視官がそう言って優しく微笑んだ。
「俺と、如月監視官は…その……。別に特別仲が良いわけでも、悪いわけでもないぞ。」
『……。』
「……。」
「……何か言ったらどうだ。」
2人の沈黙に堪えかねてそう言うと、狡噛が口を開いた。
「あー。まぁ、なんだ。その…。要するに"普通"って事で良いんだよな?」