第12章 死
『あ、貴方だって……。
本当は気づいているんでしょう……?
…本当は、まだ貴方のことが好きなんだって……。
本当は、心のどこかで、まだ貴方を愛しているんだって……っ!!
だから、絶対に死なせない……‼
死なせたくないの……っ!!』
私の瞳から涙が溢れては零れ、それが頬を伝って濡らしていく……。
視界が歪み、霞んでいく……。
……こんな時なのに…。
私は、なんていうことを口走ってしまったの……?
……本当は、気づいていた。
私は、槙島先輩が…心のどこかで好きなんだって……。
愛しているんだって……。
まだ、信じていたかったんだって……。
私は、まだ…
槙島先輩が、好き……。
再び、涙に濡れた私の泣き顔を見上げ、槙島先輩がふっと笑う。
それから、静かな声でこう言った…。