第12章 死

『っ…。
　う……。』


私の腕は、今までに感じたことのない重みに耐えようと、ぷるぷると震えている……。


「……悠…？」


槙島が驚いたような声を上げ、私を見上げる……。

その表情も、動揺し、同時に困惑しているようだ…。


『言った……はずです…。
　貴方は…死なせない……。死なせたりはしない……っ!!』

「離すんだ、悠。
　君まで落下してしまう……。」

「……そこは、安心しろ。俺が上げてやる……。」


狡噛さんが、私の身体を支えてくれていた……。
彼は、槙島の空いているもう片方の腕を取る。

狡噛さんも私に助力してくれている。

　　……大丈夫だ……。
　　　　彼は、助かる…。

そう思った、その瞬間……。


「……悠。
　離すんだ……。」


槙島が俯いて呟いた……。


『っ……!?
　い、嫌です……っ!!』