第12章 死
しばらく……と言ってもたったの数時間のことだった。
付近を捜索しても、槙島聖護の姿は見つからない。
"諦めてしまおう…。"そう思ったその時……。
「…如月……。」
狡噛さんがその低くて落ち着いた声音で私を呼ぶ。
私は、狡噛さんの元へ駆け寄った……。
『……なんでしょうか…?』
「あれを、見てみろ。」
狡噛さんが示した視線の先に……。
『……っ!!
槙島聖護……‼』
白い、人影……。
槙島聖護だった……。
「…!?
如月……っ!?」
気がついた時には、狡噛さんの静止も聞かずに私は既に駆け出していた……。