第12章 死
「っ…え……?」
縢くんが動揺して、戸惑っている。
私は不思議に思い、首を傾げて彼に訊ねた。
『ええっと……どうかした…?』
「え、あ、いや。
その……。」
『……。
白状しなさい、縢くん……?』
可笑しくて、クスクスと笑ってからかうように問いつめると、縢くんが1つ溜息を吐いて白状した。
「いや…あの、さ……。
……そんな風に誰かから感謝されたり、お礼言われたことなんて無くて……。
嬉しかった……て、言うか……。」
戸惑いながら、頬を掻いて照れくさそうに言う縢くんは……
やっぱり、とても可愛らしかった……。
『…ふふっ……。』
私は笑みを零した…。
すると、感が良いらしい縢くんが、じとっと私を睨みつけて言う。
「……悠ちゃん。
今、俺にとってものすごい失礼なこと考えてたでしょ……。」
『えー。
何のことかなぁ……?』
「…しらばっくれんな…‼
ネタはとっくの昔にあがってんだ……っ!!」
と、どこぞの古い刑事ドラマのような台詞を言う縢くん。
……やっぱり、可愛いなぁ……。
『ふふっ…。どうでしょうねぇ……。』
「ごーまーかーすーな〜っ!!
俺だって白状したんだから、悠ちゃんも言うの……っ!!」
口を尖らせて駄々をこねる縢くん。