第11章 逃走
それから数日後……
『ま、槙島聖護が…逃走……!?』
復帰した私を待っていたのは、ヘルメット事件の後処理と驚くべき内容だった。
その後処理の最中、そのことを宜野座さんから教えてもらったのだった……。
「…ああ、どうやらそのようだ……。
聞いた話だが、護送中に逃走したらしい。……やはり、そう簡単にはいかないか……。
復帰早々、仕事を増やしてすまないな。如月。」
『い、いえ……。
でも、まさか…逃げられるなんて……。』
宜野座さんに聞こえないように、声を抑えて呟いた。
…私は、槙島聖護にこれ以上罪を犯して欲しくなかった……。
罪を、重ねて欲しくなかった……。
なのに…。
どうしてなの…?槙島聖護……。