第10章 決着
「お世話してまぁーすっ!!」
澪が何処から現れたのか、いきなり出てきて私達の肩に腕を回す。
私達はビクリと肩を震わせる。
『澪……っ!?』
……澪がお酒くさい…?
ベロンベロンに泥酔している…。
「っ……‼
澪〜っ!!」
……凜が珍しく声を荒らげた…。
『まぁまぁ、凜。
少し落ち着いて…。
ほら、澪、
水飲んで…?』
「んー……。」
酔った澪が、私の差し出した水の入ったグラスに口をつける。
呆れたようにその様子を眺めながら溜息を吐く凜が、ふと私を見つめて口を開いた。
「……あ、あのね。悠……。
…あなたの仕事は、すごく厳しくて苦しくて辛いってことは、わかっているつもりよ。…まぁ、私なりに、にはなるけれど……。
…だから、絶対…これだけは約束して……?
……何かあったら、私に相談して?
抱え込まないで……?」
……その言葉が…その重みが……。
当時の私の胸の蟠りをすっと、楽にしてくれた…。
ふっと楽になって…。
友人のその優しさが、嬉しくて…ありがたくて……。つい、笑ってしまった。