第10章 決着
……いつのことだったろうか…。
私が監視官になって、まだ日も浅かった頃のことだ。
その日は、確か……零のバースデーパーティーだった。
大学を卒業して以来、久しぶりに幼馴染みが集まった。
澪と凜、秀そして当然零。
そして、そこに私が加わる。
零はお金持ちの、いわゆる"お坊ちゃん"で、本人はそういうのを気にもしないしどうでも良いといったようなことを言っていたが、一人息子である彼は、きっと会社を継ぐのだろう……。
私達はそのパーティー会場で、立食式のディナーを摂っていた。
ガヤガヤとした騒がしい雑音が遠のき、私は1人。思考の世界に入り込む。
……大学の卒業式の日……。
秀と零に同時に呼び出されてしまい、結局3人で話すはめになった…。
結局あの時…彼らは私に何を言いたかったのか……。
それがあの時はまだ気になっていた。
途中、澪と凜が現れ、話がうやむやになってしまい結局そのままだった。
『……なんだったのかな…。』
私は俯いて、そっと独り言を吐き出した…。