第10章 決着
「っ……
お、俺……。悠ちゃんが連れていかれるの見て……。
心配で、心配で……‼
なんで、俺を頼ってくれないんだよ。なんで、守らせてくれないんだよ。
なんで……。
いっつも無茶ばっかり……。」
責めるような酷い口調で叫んでも、悠ちゃんは困ったように微笑んで…
『ごめんね……。』
と、繰り返しながら聞いてくれた。
俺の涙と嗚咽と愚痴が落ち着いたら、
今度はこっちが溢れて…歯止めが効かなくなって……。
苦しい。
言えないことが、こんなにも虚しく、苦しく、辛く、悲しい……。
でも、そんな負の気持ちでさえも、俺にとって淡く切ないこの気持ちも……。
望まれなくても、
あってはならないことだとだとしても……。
どうしようもなく、愛しいんだ…。
そんなことを考えて、俺は再び悠ちゃんをそっと抱きしめ直した。
『……ん?
まだ、何か……』
言葉を紡ごうとする悠ちゃんの唇を…
吐かれる吐息ごと奪った……。