第10章 決着
結局、血の跡は屋上まで続いていた……。
少し身構えて中の様子を窺う……。
…槙島聖護の姿も、如月の姿も…そこには見当たらなかった……。
縢とはここで別れることにした。
血の跡は、屋上までで…。
屋上についた時にはぱったりと無くなってしまっていた。
辺りを捜索してみる必要があった……。
……何処にいるんだ…。如月…。
…カツン、カツン……。
拓けた場所に出てきて辺りを見回したとき…。
人の足音が俺の鼓膜を震わせた。
「……初めまして。狡噛慎也……。」
その全身真っ白な男は、まるで俺が来ることをわかっていたかのようにふっと笑ってから言った。
奥にある螺旋階段から下ってきているのだ。
「…槙島、聖護……‼」
奴を睨む。
…如月は、何処だ……?
「悠なら、ここにはいないよ?」
俺の思考を読み取ったらしい奴は、勝ち誇ったかのように笑って言う。
その間にも、奴は階段を1つ、また1つと下ってきている。
「如月は、何処にいる…。」
「…ふふ。おかしなことを聞くね…。
……僕が、言うわけないだろう?」
いつの間にか、俺達は真っ直ぐに向かい合い、対峙していた……。
階段を下り終えた奴は、真っ直ぐに俺に歩んできていたのだ。
「…悠は、悠だけは……。
何があっても、渡さない……。」
落ち着きはらった声音で奴がそう続けた。