第9章 暴徒
『…既に、市民の限界は許容範囲を超えています。
更に大きな被害が出る前に対処は出来ないでしょうか……?』
私は宜野座さんに報告をしたあと、
宜野座さんと共に局長室へ報告に来ていた……。
「……ふむ。
確かに、現在の市民の行動は目に余るものがある。
更に大きな事件や、被害が起こる前に対処すべきだろう。
……そして、その大きな被害が起きるのも、既に時間の問題だ……。」
局長は私の報告を聞いて一つ頷き、椅子に座った状態のままぐるりと私達に背を向けた。
「……はい。
俺も、早めに対処すべきだと思います。
局長、何か対策は対策は無いのですか?……指示を、お願いします…。」
宜野座さんは懇願するような眼差しで局長のその背を見つめた。
「……ふむ。そうだな。
この事態を抑えるためには、暴徒と化した市民も、ヘルメット集団も確保する必要がある。……その為に、刑事課諸君には協力してもらいたい。
1係だけでなく、2係、3係等、他の係にも協力してもらおう。
……刑事課を、総動員する…。」
『わ、わかりましたっ!!』
「了解しました。
……では、失礼します。」
『し、失礼します……‼』
立ち上がって私達を振り返った局長がそう言い、私達はその指示に従うことになった。
私と宜野座さんは一礼して、その場を後にした……。