第9章 暴徒
『……もうっ!!縢くん…‼』
怒って講義すると、そこへ唐之杜さんのからかうような声が響いた…。
「ちょっとちょっと〜。
イチャイチャするのは良いけど、やるなら何処か外の場所でやってくれな〜い?
あたし、秀くんに妬きそうだわ…。」
『べ、別にイチャイチャしては……‼』
「絶賛イチャイチャ中で〜す♪
つか、俺にヤキモチっすか!?」
慌てて否定しようにも、既に縢くんに丸め込まれてしまった。
唐之杜さんにも軽くあしらわれ、流されてしまったところで狡噛さんが声を上げた。
「……唐之杜。
…ここら辺一帯にいる全員のサイコパスを見せてくれ……。」
「はいはーい。
りょーかい、っと。」
言いながら唐之杜さんはサラサラっとデータを出した。
…サイコパス[PSYCHO-PASS]……。
人間の精神状態を科学的に分析し数値化したデータ。
その数値が高ければ高いほど危険度は増す……。
「……やっぱりか…。」
『……?
どうしました?狡噛さん。』
データにひと通り目を通し、呟いた狡噛さんに私は訊ねた。
「如月、見てみろ。
……このヘルメット野郎、この人物と全く数値が一緒だ。」
『……‼』
言われてから気がついた。
数値どころか、同じ人間が2人いることになってしまっている……。
私は驚きを隠せなかった……。
「……要するに、あのヘルメット…。
周囲にいる誰かのサイコパスをコピーしてるってこと…?」
「そういうことだ。」
『そんな物を作るなんて……‼
考えただけでも色相が悪化しそうなのに……。』
「……このヘルメットを作ったのが…槙島聖護、或いは槙島聖護のように"免罪体質"の人間だったら……?」
『……え…。』