第9章 暴徒
「…ひ、ひぃ……。
た、助け……‼」
結局最後の男もそう大して強くはなく。
つまらなかった。
……僕は、残ったリーダー格の男を冷ややかに見つめる…。
恐怖で腰が抜けたらしいその男は、尻を引き摺りながら後ずさる。
目に涙を溜め、ガタガタと震えている……。
無言でその男に歩み寄った僕は、男を踏みつけ、その男の口にバットを押し込む…。
「う、が……ぁ…。」
恐怖で動けない男を見下ろしつつ、僕は左手でバットの先を打ちつけた。
……鈍く、濁った音がして、男は動かなくなった。
…僕はバットを放って、その場を後にした……。
ねぇ、悠…。
どうする……?
このままじゃ、市民が暴徒と化すのも時間の問題だ。
既にヘルメット集団と市民との戦争は始まっているみたいだ……。
さぁ、どうする……?
悠…狡噛深夜……‼
……でもね、悠…?
正直、君だけには…
無事で、いてほしい…かな……。