第9章 暴徒
……まず始めに、
金属バットで殴りかかってきた、がたいのいい男を避け…そのバットを掴む。
そのままゴルフクラブで殴りかかってきた、長身の男のそれを金属バットで受け止める。
バットを奪ってから、背後から襲いかかってきた、目つきの悪い額に傷のある男の頭を思い切り殴りつける。
僕がヘルメットをしていないので、そんなことをしないだろうとでも思ったのか、一同は一瞬動揺し、怯んだ……。
だが、すぐに戦闘は再開した……。
再びゴルフクラブで襲いかかってきた長身の男の胸を蹴り飛ばす。
男は噎せ返り、蹲る。
その男の頭を金属バットで思い切り殴りつけた……。
武器を失った、がたいのいい男が逃げようと背を向けた所を、その背を踏みつけ転ばせる。
その男の頭も思い切り殴りつけてやった。
……残るはあと2人…。
リーダー格の男と、
右頬に切り傷の残っている小柄だが筋肉質の男……。
リーダー格の男は武術を心得てはおらず、他の4人に守らせるつもりだったようだ。
完全に動揺し、顔が引きつっている。
……その男を殺す事は、更に容易いだろう…。
さて……。
この小柄で筋肉質の男……。
どう出てくるか…。
考えていると、男が1歩踏み出してくる。
その左手には刃渡り数センチのナイフを持っている。
……そんなもので人が殺せるとでも思っている馬鹿か…それとも、そんなものでも人を殺せる能力を持ち合わせているのか……。
僕は、とりあえずその男との間合いをつめた……。