第13章 灰白 by のさまじょ

ぺろりと舌を出すと、その鮮やかな紅色の唇を潤した。
神職の手が伸びてきて、ゆっくりと俺の身体を藁の上に倒した。

「なにを…」
「静かに…」

囁く様に言うと、覆いかぶさってきた。

「あ…やめろ…」

逃げ出したいのに、身体が思うように動かない。
ゆっくりと漆黒の瞳が近づいてきて、唇が重なった。

「あ…」

気づいたら、いつの間にかなにも身につけておらず、神職と俺は抱き合っていた。

「な、何をするのじゃ…」
「お主は…なぜマタギなぞしておる」
「し、知らぬ」
「ここの生まれではなかろう…学がある…」
「知らぬっ…知らぬっ…」

振りほどきたいのに…動けない…
温かく白い皮膚が、俺の身体を包み込む。

「まあいい…お主が何者であろうが…奪うだけじゃ…」
「え…？」

神職が俺の身体を這って行く。

「あ…やめ、ろ…」
「雅…綺麗じゃ…」

紅色の唇が、俺の胸板に吸い付いた。

「あっ…」

胸の尖りを口に含み、舌で舐め転がされると痺れたような快感が突き上げてくる。

「やめっ…あぁっ…」

急に中心を掴まれ、気持ちよさに思わず精を吐き出した。